『【その日】から読む本』をご存じでしょうか。
それは、日本の宝くじで一千万円以上の高額当せんをした人に無料で配布される小冊子です。
この本は一般には非公開であり高額当せん者以外には配布もしていないため、どんな内容なのかがとても気になっていました。
メルカリに3万円くらいで出品されているこの本ですが、なんと国会図書館に収蔵されているとのことなので、現地へ閲覧に行ってきました。

本の内容
本は全57ページで思っていたより小さいものでした。内容は大きく3部構成になっています。
- 第1部: 当選金を安全に保管する方法や、すぐにやっておくべきこと、やってはいけないことについてのアドバイス
- 第2部: 誰に当選を知らせるか、分与するかなど、落ち着いてから考えるべきことについて
- 第3部: 当面の使い道が決まった後の計画的な運用についての考え方やアドバイス
第1部:すぐにやっておきたいこと、やってはいけないこと
すぐにやっておくべきこととしては以下のような感じです。
- 当せん金を銀行口座などの安全の場所に置く
- 冷静になってから、誰に話すか、具体的な使い道などを計画する
また、やってはいけないことは以下のような感じです。
- 喜びや興奮の勢いにまかせて軽はずみな言動をしない
- 気が大きくなって無意味な大盤振る舞いする、贈与についての口約束をする、仕事を辞めるなどしない
急に大金を手にしたときには冷静になることが大事だということですね。
第2部:落ち着いてから考えること
当選後の喜びが不安に変わるメンタルのプロセスや、高額当選者特有の悩み、神経質になりすぎていないかのチェックや気持ちの切り替え方法について書いてあります。
また、「一人にでも話せば噂が広まることは覚悟する」「当選を知った周囲の人たちの態度が変わるのは仕方がない」といったようなことも書いてあります。
この辺りは市販のマネー本にはあまり書いていないような内容なのではないでしょうか。
他には、当面必要なお金と将来必要となるお金の分け方や、お金を誰かに分ける際の贈与税に関する注意点など、少し具体的な内容が書いてあります。
第3部:当面の使い道が決まったら考えること
住宅、教育、老後など、人生設計に繋がる長期的な視点でのアドバイスについて書かれています。
また、残したお金の合理的な運用方法を考えることと、できればファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家にアドバイスを受けてから最終決定を下すことなどが書いてあります。
読んだ感想
この本はあくまで宝くじ当選者への心構えを説くものであり、お金の勉強の本ではありませんでしたので、宝くじ当選者ではない私が読んでも、あまり得られることは無かったなという感想です。
ただ、急に見たことのないような大金を手にした際に、最低限心にとめてほしいことを簡潔に伝えるには、この程度の情報量が適切なのかもしれません。
結論としては、少なくともメルカリで3万円も出してまで読む価値は無いと思いました。

宝くじが当たろうと当たるまいと、豊かな人生にはマネーリテラシーが必須なので、お金の勉強は粛々と続けていこうと思います。
以上、参考になれば幸いです。