退職後に気をつけたい住民税の落とし穴

諸手続き

退職して仕事のストレスから解放され、新しい生活を始めた矢先に思いがけず届くのが「納税通知書」です。

「えっ、もう仕事してないのに、なんで住民税の請求が来るの?」

実はこれ、住民税の仕組みを知らないと陥りやすい退職後の落とし穴なのです。

住民税は「前年の所得」に基づいて課税される

住民税は、毎年1月〜12月の所得を元に、翌年の6月〜翌々年の5月まで課税・徴収されるしくみです。

つまり、たとえ退職して無収入になっていても、前年に給与収入があれば住民税はしっかり課税されるというわけです。

給与天引きがなくなると自分で払う「普通徴収」に変わる

会社勤めの間は、住民税は給料から天引き(特別徴収)されています。

しかし退職後は、給与がないため、住民税を自分で納付する「普通徴収」に切り替わるのが一般的です。

これにより、毎月少しずつ払っていた住民税が、年に4回の分割払い(6月・8月・10月・翌年1月)で請求されます。

場合によっては、6月に一括で全額を支払う通知が届くこともあります。

6月に一括で全額請求される主なケース
  1. 退職時に「一括徴収」を希望しなかった(できなかった)場合
    退職月の給与が少なくて、住民税の残額を引ききれない場合など
  2. 市区町村が自動的に「一括納付」の普通徴収を適用した場合
    特に6月〜翌年5月分の住民税が一気に請求される形で納付書が届きます
  3. 退職が年初(1月〜5月)だった場合
    特別徴収に切り替える間もなく、新年度分(6月から始まる分)を一括で請求されるケースが多いです

ちなみに、「年4回の分割払い」のほかに「全期前納(一括納付)」も選べますが、国民年金のような割引はありません
全納メリットは、納め忘れを防げることくらいでしょうか。

退職翌年にも住民税の請求が来ることを忘れずに

多くの人が見落としがちなのが、退職した翌年にやってくる住民税の支払いかと思います。

前年はフルで働いていたなら、それなりの所得があり、それに応じた住民税が課されます。

無職なのに税金だけが出ていくという状況になり、知らないで準備しておかないと資金繰りが苦しくなる可能性も。

住民税の支払いを見越して資金を要準備

退職後の生活設計をする際は、住民税の支払いも忘れずに資金計画に組み込んでおくことが大切です。

また、退職時に会社に相談すれば、残りの住民税を最後の給与や退職金から一括で精算するよう手続きすることも可能です。この方法なら、「あとでドカンと請求が来る」という不安を避けられるかもしれません。

給与天引きだといくら払っているか気づきにくい住民税ですが、「こんなに高いの!?」と驚くくらいの請求が忘れたころに届くので、覚悟して準備しておきましょう。

まとめ

退職すると、つい「もう税金の心配はいらない」と思ってしまいがちですが、住民税は前年の所得に課税されるため、翌年も確実に支払い義務が生じます

退職を予定している方、またはすでに退職した方は、住民税の仕組みをしっかり理解し、退職後の税金にも備えたライフプランを立てておきましょう。

以上、参考になれば幸いです。

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