入学を控えた学生や新社会人など、新生活にあたりパソコンが必要なため購入を検討している人も多いかと思います。
しかし、たくさんの選択肢がある中でどのPCを選べばよいか迷いますよね。この記事では、用途に合わせたPCの選び方や、おすすめのモデルを解説します。
※ゲーミングPCについては、この記事では取り扱いません。ご了承ください。
PC選びのポイント
WindowsかMacのどちらを選ぶか

最近はMicrosoft OfficeやAdobe製品は両方のOSに対応していますし、ブラウザ上で動作するアプリも多いため、ひと昔と比べるとWindowsとMacのどちらを選ぶかの重要度は低くなったと思います。
WindowsとMacの特徴をざっくりまとめると、それぞれ下記のような特徴があります。
- 多くのメーカーから販売されており、エントリーモデルからハイエンドモデルまで、幅広い価格帯の製品がある
- 汎用性が高く、多くのソフトウェアや周辺機器が対応しているが、その分トラブルの要因も多い
- Apple社のサポートが手厚いので、初心者に安心
- 製品自体の品質は高いが、価格も高め
- サードパーティ製の周辺機器でMacに対応していないものがある
よくあるまとめは次のようなものです。
- 初心者・クリエイター向け → Mac
- それ以外 → Windows
おおむね同意ですが、初心者でもWindowsは使えますし、安易に最初のパソコンはMacが良いとはいえないかなと思います。
目的は何か?で変わる
学生の場合
学校で指定があればそれに従いましょう。
一部の授業や実習で使用するソフトウェアが指定のOSしか対応していない場合があります。
iPhoneを利用している場合
MacとiPhoneの連携が便利です。
例えば、iPhoneで書き始めたメッセージをMacで続けて書けたり、ファイルを簡単に共有出来たり、iPhoneの画面をMacにミラーリング出来たりするので、iPhone利用者はMacを選ぶ価値があります。
特定のソフトウェアや周辺機器を使いたい場合
使いたいものが決まっている場合、対応しているOSのパソコンを購入するしかありません。
PCゲームはWindowsにのみ対応していることが多いです。周辺機器もWindows用のドライバしか用意されていないことがあります。
周りで使っている人がどちらを使っているか?で選ぶ
まったくの初心者で周りに相談できる人がいない場合は、Macを購入したほうがApple社のサポートを受けられますので、幸せになれるかもしれません。
しかし、周りに相談ができる人がいるのであれば、その人と同じOSを購入したほうが良いかもしれません。普段Windowsを使っている人にMacのことを聞いても、おそらく回答できないと思います。
また、IT系の会社はMacを使っているところも増えていますが、それ以外の会社ではWindowsを使っていることが多いので、就職した後を考えるとWindowsのほうが都合が良いかもしれません。
デスクトップ型かノート型のどちらを選ぶか

デスクトップ型とノート型の特徴をざっくりまとめると、それぞれ下記のような特徴があります。
- 高性能で拡張性が高い
- 持ち運びは困難で、電源を常時接続する必要がある
- バッテリー駆動で持ち運びが可能
- キーボード、タッチパッド、ディスプレイが一体化しているオールインワン
最初の一台を買うのであればノート型をおすすめします。(但し、最初から本格的なPCゲームが目的の場合を除く。)
ノート型がおすすめな理由
場所を選ばず作業できる
ノート型は持ち運びができるため、自宅、カフェ、コワーキングスペースなど、場所を問わずに作業が可能です。特にリモートワークが増えている今、自由な働き方に対応しやすいです。
画面の大きさやキーボードは変えられる
ノート型パソコンは画面が小さい、キーボードが打ちづらいという不満が出てくるかもしれません。
しかし、外部ディスプレイや外付けキーボードを接続して使用することができるため、これらの点はデスクトップ型と比較して必ずしもデメリットとはなりません。
ノート型の選び方のポイント
サイズ
13~14インチ(A4サイズ程度)のものがバランスが良くておすすめです。
これより大きいものは、本体重量が重いので持ち運びが大変になります。
逆にこれより小さいものは、キーボードが小さくてタイプしづらかったり、マシン性能が低かったりします。
インターフェース
ここでいうインターフェースとは接続端子のことです。パソコンにはUSB、HDMI、SDカードリーダー、イヤホンジャック、電源などの端子が搭載されています。
ノート型の場合、物理的な制約でUSB Type-Cの端子しか搭載されていないものも多くあります。その場合、他の端子を使用して機器を接続する際には、別途ドッキングハブを用意する必要があります。
手荷物を減らしたい場合や周辺機器を使う頻度が高い方は、普段使うインターフェースがあらかじめ搭載されたPCを選ぶのが良いかと思います。

例えば、営業に行った際にプロジェクターで投影しようと思ったときに、HDMI端子の無いPCでドッキングハブを忘れるとかなり困ったことになります。HDMI端子付きのPCだとその心配は無くなります。
キーボード
日本で発売されているパソコンに付属のキーボードは、大体が日本語配列(JIS配列)ですが、まれに英語配列(US配列)のものもあります。(Macなどはオプションで選べます。)
ノートパソコンのキーボードの場合、日本語配列だとキーの数が英語配列より多いため、スペースの関係で一部のキーが小さくされてしまってタイプしづらい場合がありますが、英語配列のキーボードではこの問題はありません。
また、英語配列のキーボードは、キーの印字にひらがなが無いのでスタイリッシュに見えます。
しかし、日本語配列と英語配列では、記号のキーの位置が異なるため、どちらか一方に慣れてしまうともう片方を利用した際にミスタッチが多くなります。
こだわりが無ければ日本語配列のほうが無難です。

私はプログラムのソースコードの書きやすさを考えて英語配列を使っています。
ゲーミング用途の場合
本格的なPCゲームをする場合は、ゲーミングPCの購入をおすすめします。
ゲーミングPCにもデスクトップ型とノート型がありますが、ゲーミング用途に限ってはデスクトップ型をおすすめします。理由は下記のとおりです。
- ノート型での高性能化には限界があるため(デスクトップ型のほうが高性能)
- デスクトップ型に比べてノート型のほうが割高のため
- デスクトップ型のほうが必要に応じたカスタマイズ(グラフィックボード交換など)ができるため
ゲーミングPCについては、この記事では取り扱いません。ご了承ください。
おすすめPCモデル
ゲーミング以外の用途での考慮ポイントとおすすめモデルを紹介します。
メモリ:
最低8GBは欲しいです。ノート型の場合、後から増やすのはほぼ不可能なので、できれば16GBのものを選んでください。
SSD(データを保存する内部装置):
最低256GB、できれば512GB以上あると良いと思います。もし後から容量が足りなくなった場合、ノート型の場合は外付けのSSDを接続することで容量を増やすことができます。
CPU:
Windowsの場合は型番がややこしいのですが、Intelなら「Core i5」か「Core i7」、AMDなら「Ryzen 5」か「Ryzen 7」(いずれも数字が大きいほうが高性能)を選べば問題ないかと思います。
Macの場合は現行Appleストアで販売されているもの(2025年2月現在では「M2チップ」以上)であれば大丈夫です。
予算が許すのであれば、高性能な(数字が大きい)方を選んでください。
Windows
Windowsノートパソコンのおすすめモデル3選です。
- HP Pavilion Aero 13 (134,800円~)
ヒューレット・パッカード社のスタンダードなノートパソコンです。
1kgを切る超軽量と多様なインタフェースが便利です。
性能と価格のバランスも良く、多くの方におすすめです。 - Dell XPS 13 (260,000円~)
デル社の高性能ノートパソコンです。デザインも高級感があります。
ただしインタフェースは少ないです。またスマートな見た目より重く感じます。
英語キーボードやタッチスクリーンなどのカスタマイズができます。
こだわりのパソコンが欲しい方におすすめです。 - Surface Laptop Go 3 (135,080円~)
マイクロソフト社のコンパクトなノートパソコンです。
Office Home & Businessが標準でプリインストールされています。
タッチスクリーンのあるオシャレなPCが欲しい方におすすめです。
Mac
13インチMacBook Airがバランスが良くおすすめです。
ノート型のMacは、MacBook AirとMacBook Proがありますが、通常の用途ではMacBook Proはオーバースペックだと思います。MacBook Airを使っていて不都合が出てきた際に買い替えを検討するのが良いと思います。
学割でお得に購入する
この記事で挙げたおすすめモデルは、いずれも各メーカーの学割ストアより学割で購入することができます。
学生や教職員、高校生の親御さんはチェックしてみてください。
- Microsoft:Surface 学生割引
https://www.microsoft.com/ja-jp/store/b/student
- Apple:最高の学生生活をMacと
https://www.apple.com/jp/mac/gakusei/
タブレットはパソコンの代わりになるのか
タブレットはスマートフォンと同様に、動画視聴やWeb閲覧などのコンテンツ消費には適していますが、高度な編集作業や大量のデータ入力には不向きです。
キーボードを接続して使用する場合でも、タブレットは一般的にパソコンに比べて処理能力が劣るため、パソコンで可能な作業の一部がタブレットでは困難または不可能な場合があります。
まとめ
パソコンはピンからキリまで幅広くラインナップされているため、安い代わりに性能が悪いものを購入すると「安物買いの銭失い」に、高すぎるものを購入すると「宝の持ち腐れ」とコストパフォーマンスが悪くなります。
初めの1台を買うのであれば、ノート型のパソコンをおすすめします。
ディスプレイやキーボード、マウスなどの周辺機器は、使い始めて必要になったら買い足します。
使っているうちにPCの性能不足を感じるようになったら、上位機種やデスクトップ型パソコンへの買い替えを検討します。
用途に合った丁度いいパソコンを購入するための参考になれば幸いです。