保険はこれだけでOK!お金をムダにしない保険の選び方

保険の見直し 支出管理

保険は「入っておけば安心」と思われがちですが、実際にはすべての保険が必要なわけではありません。

むしろ過剰に加入すると、掛け金が家計を圧迫し、資産形成を妨げます

この記事では「最低限で十分」という視点から、本当に必要な保険と不要な保険を整理し、とくに生命保険の考え方、会社員とフリーランスの違い、さらに保険相談サービスを利用する際の注意点を解説します。

最低限入るべき保険

最低限入ることを検討する必要がある保険は次の3つだけです。

  • 掛け捨ての生命保険
  • 自動車・バイク保険
  • 火災保険

以下で一つずつ解説します。

掛け捨ての生命保険

生命保険は「万一のときに遺族の生活が困難になるリスク」に備えるためのものです。

したがって、極端な話、扶養家族のいない独身の方や、配偶者一人の収入で生活できる場合には、生命保険は不要といえます。

必要保障額の考え方

大切なのは「いくら払えるか」ではなく「いくら必要か」です。

必要保障額は以下のように計算できます。

必要保障額 = (遺族の生活費 × 必要年数)
     + 教育費など団信や公的制度で補えない部分
     - 公的遺族年金や貯蓄

住宅ローンにはほとんどの場合団体信用生命保険(団信)が付帯しているため、死亡時のローン返済はカバーされます。したがって、生命保険で新たに備える必要はありません。

必要保障額の計算例
  • 生活費月20万円があと10年必要 → 2,400万円
  • 子どもの教育費 → 500万円
  • 公的遺族年金や預貯金で1,000万円カバー可能

この場合、必要保障額は 2,400万円+500万円ー1,000万円=1,900万円 となります。

このように「生活再建に必要な額」を基準に考えるべきで、「これくらいなら払える」で選んではいけません。必要な保障が足りなければ、いざというときに家族が困ってしまいます。

生命保険はあくまで一時的なリスクカバーのためのものであり、終身ではなく掛け捨て型で十分です。

かつて私は、掛け金が最終的に戻ってくるのならと終身保険に加入しましたが、今では無駄に高い掛け金を払っていることを後悔しています。
現時点で解約しても数百万円単位の赤字になってしまうため、やめたくてもやめられない状況です。

自動車・バイク保険

自動車やバイクを運転する場合、対人・対物は無制限で加入必須です。

大事故で相手に大きな損害を与えた場合、自分の資産では到底支払えません。もっとも重要な保険のひとつです。

自動車・バイク保険については別の記事にも書いていますので、併せてご覧ください。

火災保険

火災や自然災害で家を失ったとき、自己資金で再建するのは困難です。生活基盤を守るために加入しましょう。

いずれの保険も保険会社によって保険料が異なるため、複数の会社から見積もりを取り、比較することをおすすめします。

不要と考えられる保険

逆に、一見必要と思われがちですが、実は不要な保険について解説します。

医療保険

日本は国民皆保険制度があり、高額療養費制度を利用すれば自己負担は限られます。

高額療養費制度とは

1か月間に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じた一定の上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。

例えば、平均的な年収の方であれば、医療費の実質自己負担は最大でも月に約8~9万円程度で済みます。

医療費については数十万円の貯蓄があれば十分対応可能で、民間の医療保険に入る必要はありません。

会社員の場合

さらに会社員には下記の制度があるため、よりいっそう医療保険の必要性はありません。

傷病手当金
  • 病気やケガで働けなくなった場合、給与の約3分の2が最長1年半支給される
  • 有給休暇で短期の病欠にも対応可能
付加給付(健康保険組合独自の上乗せ給付)
  • 高額療養費制度で自己負担限度額を超えた分を追加で支給
  • 月2〜3万円程度の負担で済む場合が多く、実質自己負担はさらに低減

付加給付については健康保険組合によって異なるため、自分が加入している組合の制度内容を確認しましょう。

私も会社員時代に手術のため1週間入院しましたが、付加給付制度のおかげで自己負担は2万円で済みました。

自営業・フリーランスの場合

高額療養費制度は全員利用可能ですが、傷病手当金や付加給付はないため、長期で働けなくなるリスクは別途備える必要があります。

  • 生活防衛資金を6か月〜1年分確保
  • 必要に応じて就業不能保険(所得補償保険)

フリーランスは「医療費リスク」よりも「収入途絶リスク」に注意を払うことが重要です。
ただし保険料は高く条件も厳しいため、基本は貯蓄で備えるのが堅実です。

地震保険

火災保険は持ち家であれば必須です。自然災害による損失に備える唯一の実効性ある手段です。

一方、地震保険は不要と考えます。

  • 補償は火災保険の50%までで上限も低く、家の再建は不可能
  • 保険料は割高
  • 国の制度依存で「最低限の救済」が目的

耐震性の高い住宅選びや現金の備えのほうが合理的です。

貯蓄型の保険(終身・学資・個人年金など)

終身保険、学資保険、個人年金保険など「貯蓄性」をうたう保険は、手数料が高く運用効率も悪いです。

資産形成はNISAiDeCoを活用すべきであり、保険で兼ねる必要はありません。

貯蓄型保険が扶養である理由については別の記事で紹介しています。

個人賠償責任保険の位置づけ

個人賠償責任保険は、日常生活で他人に損害を与えた場合に備える保険です。

補償例
  • 自転車で他人にケガをさせた
  • 家の物を壊してしまった
  • ペットが他人に噛みついた

個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険の特約で十分だと考えます。

保険相談サービスの注意点

街中の「無料保険相談窓口」などは、一見便利ですが注意が必要です。

相談は無料でも、紹介料の高い商品が優先的に勧められる仕組みがあります。

なぜサービスが無料で成り立っているのかを考えれば……わかりますよね?

基本的には、ネットで加入できる保険を検討することをおすすめします。

まとめ

保険は「生活再建が困難になるリスク」にだけ備えるものです。

  • 必要なのは「生命保険(必要な家庭のみ)・自動車(バイク)保険・火災保険」
  • 医療保険・地震保険・貯蓄型保険は不要
  • 会社員は高額療養費・傷病手当金・付加給付でほぼカバーされる
  • フリーランスは収入途絶リスクを貯蓄や就業不能保険で管理

このシンプルな整理で、保険に払いすぎることなく、資産形成に集中できます。

無駄を省き、その分を資産形成に回しましょう。

以上、参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました