はじめに
「株式投資=損切りが大事」と聞いたことはありませんか?
確かに、個別株投資や短期売買では「損切り」は重要なリスク管理手法の一つです。
しかし、インデックス投資においては損切りがまったく必要ない戦略であることを知っていますか?
この記事では、自身のインデックス投資経験をもとに、なぜインデックス投資に損切りは不要なのか?について解説していきます。

売ってしまったら、そこで試合終了ですよ…?
インデックス投資初心者が勘違いしていること
2025年4月現在、トランプ政権の「相互関税」による世界経済後退懸念で、株価は軒並み下がっている状況です。
新NISAをきっかけに株式投資を始めた人など、ここ1~2年しか投資経験の無い人は、この数日間の連日の株価の下落に顔が真っ青になっているかもしれませんね。
インデックス投資初心者にありがちなことの一つに、下記のような複利で資産が増えるイメージ図を鵜吞みにして、常に右肩上がりで増えていくと思っているということがあげられます。

しかし、実際には株価は短期的に上下を繰り返すため、過去に何度も経験した〇〇ショックのように、株価が急落することも珍しくありません。
複利で増えるという説明はあくまで長期間投資した場合の平均利回りなのです。
つまり、インデックス投資は長期投資(具体的には15年以上)が前提なのです。
なぜ「損切り」は不要なのか?
もし、S&P500やオールカントリーなど、市場全体に投資するコストの安いインデックス投信やETFを購入している場合、株価の急落場面で最も愚かな選択は投資信託を売却してしまうことです。
なぜなら、売ってしまったらそこで損を確定して終了だからです。
株式投資の勉強をしている人であれば、損切りについて何かしら見聞きしていると思います。
損切りとは、あらかじめ決めておいた以上の損失になったら売却することです。
回復の見込みがない株式はさっさと売って、別の株式に資金を回すほうが効率いいよね、ということですね。
しかし、これは個別株やとがったアクティブ投信を買っている場合には当てはまりますが、インデックス投資の場合には当てはまりません。
なぜなら、インデックス投資は経済の発展、すなわち人類の発展に賭けた投資手法だからです。
つまり、インデックス投信やETFを損切りするということは、「これ以上人類は発展しない」と見切ることと同じだからです。

さすがに、ここからディストピアへと進む可能性は、ほぼゼロに等しいと考えます。
というわけで、適切なインデックス投資をされている人は、そのまま放置しておくのが最善手です。
それでも「売ってしまいたい」という場合に考えること

インデックス投資をしているが気が気でないという人は、おそらく自分のリスク許容度を超えています。
投資は余裕資金で行うのが鉄則です。
例えば、
- 株価が下がったら学費が払えない
- 株価が下がったら車を買い替えられない
というのは、そもそも使ってはいけないお金で投資している状態です。
投資の前に、まずは家計管理をしっかり行って、いくら投資に回せるかを把握しましょう。
また、余裕資金内であっても、いくらまでの損失に耐えられるかは人それぞれです。
自分で思っているよりリスク許容度は低いものです。市場が好調なときは強気でも、下落局面で本心がわかります。初めての下落局面でしっかりと自分のリスク許容度を把握しておくと良いと思います。
まとめ
適切なインデックス投資商品を購入している場合は、株価の下落局面でも気にせずコツコツと積み立てましょう。
慌てて売却してしまっては、そこで試合終了です。安西先生の名言を胸に刻んでおきましょう。
インデックス投資は長期投資が原則です。
もし、インデックス投資をしていても株価の下落が気になって仕方ないということであれば、それはおそらく自分のリスク許容度を超えています。
自分が枕を高くして寝られるのはいくらまでかを把握しましょう。
- インデックス投資はバイ&ホールド(買って持ち続ける)
- 余裕資金内で投資する
- 自分のリスク許容度を超えて投資しない

そもそも『下がりそうだから売る』『底を打ったから買い戻す』なんてできないからこそ、インデックス投資をしているということを忘れずに!
というわけで、適切なインデックス投資をされている人は、現状維持が最善手です。
以上、参考になれば幸いです。