株式投資を始めようと考えたとき、個別株やアクティブファンドなどさまざまな選択肢があります。その中でも、インデックスファンドは多くの投資家に推奨される方法の一つです。本記事では、なぜインデックスファンドに投資するのが良いのか、そのメリットを詳しく解説します。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)に連動するように設計された投資信託の一種です。例えば、以下のような指標に基づいて運用されます。
- S&P500:
アメリカの代表的な500社の株価指数 - 日経225:
日本の代表的な225社の株価指数(いわゆる日経平均株価のこと) - MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス):
日本を含む世界の先進国・新興国の株式全体の株価指数
ファンドマネージャーが積極的に売買するのではなく、市場全体の動きを反映するため、運用コストが低く、リスク分散も容易となります。
インデックスファンドを選ぶべき5つの理由
なぜインデックスファンドへの投資が有利なのか、そのメリット・デメリットとともに理由を挙げていきます。
低コストで運用できる
インデックスファンドは市場全体の動きを追うため、ファンドマネージャーが頻繁に売買を行う必要がありません。その結果、下記のメリットがあります。
- 運用管理費用(信託報酬)が低い
- 売買コストが抑えられる
例えば、多くのアクティブファンドでは年間1〜2%の信託報酬がかかりますが、インデックスファンドでは年間0.1%以下のものが多くあります。長期投資をする際、コストの違いは最終的なリターンに大きな影響を与えます。

コストは確実に利回りから差し引かれ、実質的な収益を減少させます。投資においては、可能な限りコストを抑えることが重要です。
市場全体の成長を享受できる
インデックスファンドは、特定の指数(S&P500など)に連動するように設計されています。これにより、下記のメリットがあります。
- 個別銘柄のリスクを分散できる
- 市場全体の成長を取り込める
過去のデータを見ると、MSCI ACWIやS&P500は長期的に平均7〜10%程度の年利回りを記録しており、個別株のリスクを取らずとも比較的安定した成長を期待できます。
長期投資に向いている
短期的な市場の変動に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で資産を増やしていくことが重要です。インデックスファンドはその点で非常に相性が良く、下記のような特性を持っています。
- 市場の短期的な上下動に惑わされにくい
- 複利効果を最大限に活用できる
特に、毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」を活用することで、時間の分散も図れます。
投資初心者でも始めやすい
個別株の分析には、企業の財務情報や業界の動向を調べる必要があります。一方で、インデックスファンドは市場全体に投資するため、下記の点で初心者にも向いています。
- 特別な知識がなくても始められる
- 購入後は基本的に放置でOK
また、多くの証券会社では少額から積み立て投資が可能なので、リスクを抑えつつ投資を始めることができます。

いわゆる「ほったらかし投資」が可能です。
アクティブファンドより高いリターンを得られる可能性が高い
一見すると、プロのファンドマネージャーが運用するアクティブファンドの方が高いリターンを期待できそうですが、実際には長期的にインデックスファンドの方が好成績を収めることが多いです。
- 市場の平均を上回るアクティブファンドは少数
- 手数料が高いため、リターンが相殺される
というデータが多く示されています。例えば、S&P500をベンチマークとするアクティブファンドの80%以上が10年以上のスパンでインデックスファンドに劣後するといった研究結果もあります。

残念ながら、未来を見通す水晶玉は誰も持っていないということですね。
インデックスファンド以外の投資先とその特徴
インデックスファンド以外に、個別株やアクティブファンドに投資するという選択肢もあります。
参考として、インデックスファンドと比較した場合の、それぞれの一般的に言われているメリット・デメリットを記します。
個別株
- 大きなリターンの可能性:成長株に投資すればインデックスを上回るリターンが期待できる。
- 配当収入:高配当株を選べば安定した配当収入を得られる。
- 自由な投資戦略:投資家のリスク許容度や目標に応じて柔軟にポートフォリオを組める。
- リスクが高い:個別企業の業績悪化や倒産リスクがある。
- 分散が難しい:インデックスと比べるとリスク分散が不十分になりやすい。
- 調査・管理が大変:企業分析や市場動向のチェックが必要で、時間と労力がかかる。
アクティブファンド
- 市場平均を上回る可能性:優れたファンドマネージャーが適切な銘柄選定を行えば、インデックスを超えるリターンが得られる。
- 市場変動に柔軟に対応:景気サイクルに応じた調整が可能。
- コストが高い:信託報酬(管理費用)がインデックスファンドより高い。
- インデックスに勝てるとは限らない:多くのアクティブファンドは長期的にインデックスに負けている。
- 運用者依存:ファンドマネージャーの能力に左右されるため、選択が難しい。
まとめ
インデックスファンドは、下記の点で非常に魅力的な投資手段です。
✅ 低コストで運用できる
✅ 市場全体の成長を享受できる
✅ 長期投資に向いている
✅ 初心者でも簡単に始められる
✅ 多くのアクティブファンドを上回る実績がある
個別株やアクティブファンドなど、より高いリターンを狙いたくなるのは人情ですが、長期的にコツコツと資産形成をするのであれば、やはりインデックスファンドを積み立てる投資手法をおすすめします。
以上、参考になれば幸いです。