2024年から恒久化された新しいNISA。
非課税で投資できる枠が大幅に拡大し、多くの方が資産形成に取り組むきっかけになりました。
そんなNISAに、2026年度の税制改正要望が出されています。
今回は「全世代への拡大」と「対象商品の充実」がポイントです。
この記事では、その内容をわかりやすく整理してみます。

この記事は、2025年8月時点で金融庁が公表した「2026年度税制改正要望」の内容をもとにまとめています。
制度の最終決定ではないため、実際の内容や時期は今後の議論によって変わる可能性があります。あらかじめご注意ください。
改正の全体像
金融庁が要望している改正の柱は大きく2つです。
- 対象年齢の拡大(0歳から高齢者まで全世代へ)
- 対象商品の拡充(毎月分配型投信やスイッチング機能の導入)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
対象年齢の拡大(0歳から投資スタート?)
これまでNISAは18歳以上が対象でした。
今回の要望では、未成年から高齢者まで誰でも利用可能にする方向が示されています。
背景には「貯蓄から投資へ」の流れをさらに加速させたい、という国の狙いがあります。
子どもが生まれたときから投資を始められるようになるので、家庭での金融教育にも自然につながります。
ジュニアNISAの代替になるのか?
2023年で終了したジュニアNISAは、0〜19歳を対象に年間80万円まで非課税で投資できる制度でした。
ただし「18歳まで原則引き出せない」という制限があり、教育資金に使いにくいという声もありました。
今回の「全世代型NISA」では、0歳から高齢者まで利用でき、子ども名義での投資も可能です。
そのため、ジュニアNISAの後継的な役割を果たす可能性があります。
ただし、注意点もあります。
- 払い出し制限がないため、親が自由に引き出せる
- 子ども専用ではなく、全世代向け制度である
つまり、「子どもの将来資金を非課税で育てる手段」としては活用できますが、ジュニアNISAのような教育資金特化型ではない点には気をつけましょう。
親が子ども名義で投資するメリット・デメリット
- 将来の教育資金や独立資金を準備できる
- 複利効果を最大限活かせる
- 金融教育のきっかけになる
- 親が自由に使えてしまうリスク
- 贈与税の問題(年間110万円の非課税枠内で管理が必要)
- 親世帯の資金拘束
対象商品の拡充
毎月分配型投資信託の追加案とスイッチング機能の導入案について、ぞれぞれ解説します。
毎月分配型投信
NISAの対象商品に毎月分配型投資信託を加える案もあります。
特に高齢者層からは、「運用しながら毎月の生活費にあてたい」というニーズが強く、よりライフステージに合った選択肢が増えることになります。

しかし、個人的には毎月分配型投資信託はおすすめしません。
なぜならば、「コストが高い」ことに加え「たこ足配当を行う可能性が高い」からです。
スイッチング機能
同じ年内で非課税枠を再利用できる「スイッチング機能」も検討中です。
例えば、購入した投資信託を途中で売却しても、その枠を使って別の商品に乗り換えられる仕組みです。

iDeCoをやっている方にはおなじみの機能ですね。
スイッチング機能のメリット
- 投資の柔軟性が高まる:売却しても枠を再利用できるため、資産配分の変更や投資戦略の修正が容易になります。
- 非課税メリットを最大限活用:運用益が増えていても、売却して再投資する際に非課税枠を使えるため効率的です。
- ライフステージに合わせやすい:若年層は成長型投信、高齢者は分配型投信など、目的に応じた運用が可能です。
スイッチング機能を活かすポイント
- ポートフォリオの定期的な見直し
- 運用目的に応じた使い分け
- 非課税枠の上限に注意
- 長期運用を前提に計画する

間違ってもトレード目的でスイッチングしないことを忘れずに!
数字でわかるスイッチングの効果
状況 | 現行(スイッチングなし) | スイッチングあり |
---|---|---|
初期投資 | 1,800万円購入 | 1,800万円購入 |
運用益 | 700万円増 → 総額2,500万円 | 700万円増 → 総額2,500万円 |
売却 | 1,800万円売却 → 非課税枠は復活せず、運用益700万円分は枠として使えない | 1,800万円売却 → 同じ枠を再利用できるため、運用益を含めた資金を非課税で再投資可能 |
次の購入 | 新規枠は翌年まで待つ必要 | すぐに再投資可能 |
- 現行NISAでは、運用益分は再投資に非課税枠として使えない
- スイッチング機能があれば、運用益も含めて非課税で再投資可能
- 利益が出ている場合ほど、スイッチングの効果は大きくなる
今後の見通し
今回の要望はまだ金融庁段階のもので、正式な制度変更ではありません。
今後は年末の与党税制調査会で議論され、税制改正大綱に盛り込まれるかが決まります。
その後、国会で関連法案が成立して初めて実施される流れです。
まとめ
2026年度に向けたNISAの改正要望は、
- 全世代が利用できる制度へ
- 高齢者ニーズに対応する商品拡充
- 投資の柔軟性を高める仕組み
といった方向で検討されています。
子どもから高齢者まで、人生の各ステージで活用できるNISAが実現すれば、資産形成の選択肢はぐっと広がります。

制度がどう変わるかをチェックしながら、自分や家族のライフプランに合わせた投資戦略を考えていきたいですね。
以上、参考になれば幸いです。